「商品先物市場11月号」p62〜p64より
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小豆のサヤと3カ月のうねり

株式会社 三忠 金野 秀樹 


 1.はじめに

 読者の中には限月間のサヤと言う物に着目している方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。先 限の繋ぎ足の罫線しか見てない様な方々にはピンと来ないのではないでしょうか。
 確かに、この業界の営業マンが持っていく罫線は、ほとんどが先限繋ぎ足ですし、業界紙やHP に載っているのもそうです。
 また、週足は良くないとされていますが、これは、「3カ月のうねり」が見れないからです。こ の「3カ月のうねり」と言われるものにも着目したいと思います。
 今回は、この限月間のサヤと同時に3カ月のうねりについて見ていき、最後に中期的な相場の展 望を立ててみたい思います。

 2.過去の上昇相場とサヤ

 「歴史は繰り返す」と言うテクニカル分析のコンセプトに則り、過去の上げ相場と比較してみま しょう。まずは過去の上昇相場を見てみてみます。

 この様にしてみますと、サヤの変わり目が相場の節目になったり、上昇相場でも内容が異なったりすることが分かります。また、3カ月、6カ月(半年)と、3カ月も節目になりやすいのも分かります。

 3.今年の小豆相場のサヤの動きと周期



 さて、今年の今までの値動きを見てみましょう。
 12月限発会と共に先限が下げ相場全体を引っ張る、「前途悲観の逆ザヤ」でした。これは天候回復による豊作人気によるものでした。
 その後、まさに大底を付けた7月16日の翌日にサヤ転換され、順ザヤとなり人気的には、これ以上叩けなくなりました。また、この底を付けたのは、4月の高値からは3カ月目、昨年の12月から見れば約半年の7カ月目でした。
 その後は、順ザヤが続いてますが、ここ数日でサヤが拡大してきています。



 4.今後の展望

 さて、今年の小豆相場の今後の展望ですが、まずは考えられる値動きを挙げてみます。

 a.今後、当先のサヤが拡大するものの、先限の人気が上昇をリードし、94年の様に長い上昇相場の後、嫁姑に入る。
 b.95年の様に、旧穀のサヤすべりが起こり、灰汁抜けの後、上昇。
 c.9月か10月に天井、12月か1月頃に底を打ち、4月頃に天井と言う、3カ月のうねりを見せる。
 d.希な例であるが、84年の様に旧穀と新穀が別の銘柄のような値動きになり、新穀は上昇、旧穀は下落と言う値動きをする。

 私の見解としては、aかbを見ています。
 3カ月のうねりと、サヤの変化に注意しながら、買い場狙いが宜しいのではないでしょうか。
 なお、サヤや3カ月のうねりについては、それだけで本が出来てしまうほどの深い内容のあるものです。さらにご興味のある方は、林輝太郎氏や岩本巌氏の書籍を読まれることをお勧めします。

 ※HPの紹介

 なお、弊社ではHPにて相場展望のコーナーを設けて、内容を毎日更新しております。
 今回、色々と申し上げましたが、新しい相場観はこのHPでをご覧になれます。もちろん、更に詳しい情報や日々の相場観を聞くのは、弊社のお客様の特権ですので、ご検討して下さいませ。
 この相場展望は社員でローテーションを組んでやっておりますので、内容に関する問い合わせなどは担当者名もお伝え頂ければ幸いです。

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