タートルシステムの有効性の検証

 

JGB(債券先物)の検証結果

チャネルブレイクアウト・システム(20日ブレイク、10日エクジット、ストップロスなし)

JGB(債券先物)の検証結果

タートル・システム(20日ブレイクアウト、10日エクジット、2Nハードストップ、P/Lフィルター、

10週フェイルセーフ)

 

勝率は、チャネルブレイクアウトが48%なのに対して、タートルシステムは45%と若干低下している。 しかし、平均利益/平均損失の比率が大きく異なる結果となった。 チャネルブレイクアウトが1.86に対して、タートルは2.94となり、このため"ケリー"はチャネルブレ イクアウトが20.04%、タートルシステムが26.29%となった。カーブフィッティングなしのシステム のケリーが25%を越えるのは、驚異的である。タートルシステムがいかに素晴らしいかがわかる。 システムの信頼性を総合的に表す、ラルフ・ビンズのPRRを計算すると、チャネルブレイクアウトが 1.68となり、タートルシステムが2.32となった。PRRは1.5を越えれば使えるシステム、2.0を 越えれば優秀なシステムと評価される。タートルシステムの優秀さが、ここからもわかる。 純利益に対するドローダウンの比率(ドローダウン・レシオ)は、チャネルブレイクアウトが39.64%、 タートルシステムが12.38%であった。チャネルブレイクアウトの39.64%大きすぎると思われる。 一般的にファンドは50%のドローで運用を停止される。シュミレーション段階で40%近くあることは 深刻である。タートルシステムにしても12%であるが、実際の運用に際しては、2倍の24%のドロー を覚悟する必要があるだろう。

 

 

2本のシステムのエクイティーカーブの相関係数を計算すると、0.9379とかなりの正相関が観察 された。見た目で2本のシステムのエクイティーカーブの形状はかなり異なるが、数学的にはかなり 同一という結果となった。2つのシステムのエントリーとエクジットのルールが同一のためであろうか。 エクイティカーブの滑らかさを測定するために、線形回帰分析を行う。 チャネルブレイクアウトの回帰直線の傾き82591を標準誤差62023424で割った、RRR(リスク・ リォード・レシオ)は0.001332となり、一方、タートルシステムの回帰直線の傾き328621を標準 誤差127941208で割ったRRRは0.002569となった。 2つのRRRを比較すると、タートルシステムのエクイティーカーブの方が、約2倍ほど滑らかであると 結果となった。カーブが滑らかということは、タートルシステムの運用パフォーマンスの方が、チャネル ブレイクアウトでの運用よりも、2倍安定しているということである。

 

関連書籍:『タートルズの秘密