ラリー・ウィリアムズ来日セミナー 2005年5月14日(土)

日本人投資家のための
「ラリー・ウィリアムズ」レポート


ラリー・ウィリアムズの相場で儲ける法 ラリー・ウィリアムズの短期売買法 ラリー・ウィリアムズの株式必勝法
ラリー・ウィリアムズ来日セミナー 2005年5月14日(土)

日本円の先行き

(2004.11.29)

日本国内に限らず、世界各地の国際ビジネスマンは日本円の今後について興味を持っている。蔓延している大量の情報をベースに各自が円の先行きを占っているが、結局、分析をしっかり行うことを怠り、勘に頼ってしまう傾向が強いのではないだろうか。

今月は、この先、2月の初めまで日本円が弱くなるか、または、これ以上強くならないという予測を明確に示している分析ツールを紹介しよう。

どのようにして、この予測を立てたのかという疑問を持つ方も多いだろうが、日本円の過去の動向を分析した結果をもとに、この先、どのように日本円が動くのか判断した。もちろん、過去の動き通りに、将来、日本円が動くとは限らない。しかし、このツールはドライブに必要な地図(ナビ)の役目を十分果たしてくれる。

分析ツールの一つ目はシーズナル(季節)サイクルパターンである。各商品、証券は毎年同じ頃に動き出す傾向がある。このパターンは日本円にも存在している。通貨の場合、米ドルに対して通貨毎にヘッジニーズがあり、機関投資家はある時期にそのアクションを起こしている。ここで季節という言葉を使ったが、田植えの時期があり、そして、収穫の時期があるように、輸入業者も輸出業者もそれぞれのニーズにあったヘッジをそれぞれの時期に行っている。

日本円のチャートを見て頂きたい。ここでは、CMEに上場している円通貨先物を使っている。その理由は、27年にという長い間、円通貨先物は取引されていて、分析に必要なたくさんのデータがあるためだ。チャートには円通貨先物の週足データとその下にシーズナルトレンドインデックスを載せてある。このインデックスは、あくまで、タイミングをあらわしているだけで、そのトレンドの強弱を示していない。このインデックスを見る限り、日本円は年初に弱く、下降トレンドを形成する場合が多いと示している。

ところで、このシーズナルトレンドインデックスだが、1973年に出版した私の著書の中でふれている。30年も前に発見した商品におけるサイクルパターンインデックスだが、2001年から2004年の円市場を見てみると毎年、同じような価格変動パターンを起こしている。2005年も、また、同じような動きをすると予測するのが自然だろう。


(チャート:ジェネシス社、トレードナビゲーター)

しかし、シーズナルインデックスのみでトレードするのは少々リスクを感じる。特に、私のような相場で生計を立てているトレーダーには、何か別の分析ツールが必要と感じている。そこで、次に紹介するのが、機関投資家をはじめとする大手企業、それに、大手金融機関の通貨ヘッジ動向を分析するのに適しているCOTレポートの使い方を説明しよう。

アメリカでは、大玉を扱うトレーダーや機関投資家のポジションを公表することが法で定められている。今は週に一回、このCOTレポートが発表になっている。このレポートを分析することでスマートマネーといわれている機関投資家動向が把握できる。もちろん、彼らの動きだけが全てではないが、市場の60%を制していると言われている機関投資家が極端な玉を立てたときには注意が必要だ。

このレポートを書いている11月末の時点でCOTのレポートを分析する限り、スマートマネーが日本円のヘッジ売りを積み増していることがわかる。今までの動きから、近い内に日本円が下落するだろうと予測できる。

ここで私のCOTレポートの分析方法についてふれてみるが、取組高に対してスマートマネーの売り持ちがどれぐらいの比率なのか注目している。55%を超えてくると円の天井が近いといえる。


(チャート:ジェネシス社、トレードナビゲーター)

チャート上には55%を超えた最大の値の上に縦線を描いてみた。縦線の付近で日本円がトップを打っているか、その後、価格が上昇から横ばいへ変化していることが多い。このチャートをよく研究して頂きたい。このレポートを書いている11月末の時点で、取組高に対する機関投資家の売り玉が占める割合は64%になっている。また、最初に説明したシーズナルパターンと併せて分析すると日本円はこれから徐々に下げに転じることが予測できる。一つのツールに頼るのではなく、二つのツールから導き出された分析結果である。


米大統領選挙の年に米株市場はどのように動いているのか?

(2004.11.5)

ブッシュ大統領の勝利が投資家にどのように影響をあたえるのか

スマートマネーと言われる先見の目を持った一部の投資家達の動きを無視することができないと言われているが、もう一人、米株市場に大きな影響力を持っている人物が存在することを貴方はご存知だろうか。それは、アメリカ大統領である。大統領が市場に強く関わっていると言うレポートを1973年に初めて公表したが、今もその影響力は変わっていない。

株式市場の変動パターンにはいろいろある。中でも、チャートに目を向ける投資家は多くテクニカル分析を好む傾向が強くチャーティストと言われている。彼らは、価格の変動パターンに最も強い関心をよせている。他に、市場のサイクル(周期性)を分析して、経済政策や環境が株価にどのように影響を与え、また、どれぐらいの期間にわたってその価格変動パターンが継続するのか注目するファンダメンタリストといわれる投資家もいる。彼らの多くは、金利政策と株価変動には強い関係があると主張している。しかし、最も強い影響を株式市場に与えているのはアメリカ大統領選挙だろう。

クリントン元米大統領が再選された理由を問われたときの回答からその影響力の強さが汲み取れる。"そんなの景気を良くしたからに決まっているだろ!"

アメリカ大統領は、米経済に限らず、政治問題をはじめ全世界にその影響力を持っている。しかし、選挙がある限り、有権者の希望に沿うために経済活性に全力を注ぐことになる。この行動が株式市場に大きなインパクトを与えている。既にご存知の方も多くだろうが、アメリカ大統領は2期までしか務めることができない。しかし、その政党が勢力を維持させるために景気向上に力を入れることは容易に理解できる。

では、アメリカ大統領がどのような手段で株価を押し上げるのだろうか。先ず、アメリカ連邦準備銀行(FRB)にマネーサプライのアップか、もしくは、政策金の引下げを要求する。多分、大統領の再選時には、FRB議長の再選も約束されるなどの話し合いが持たれるのだろう。アーサー・バーンズ氏がFRB議長を務めた1970年代からFRBと米大統領との間には深いつながりがあることは事実だ。米政府がFRBの政策方針を支持することで、FRBの意向が米政策に強く反映する。とにかく、米議会は金を使うことが大好きである。各議員が地元に戻ったとき、有権者にその存在をアピールする手段として、新法案を議会で通して、多額の予算を取ったことを主張している。

このグラフは、アメリカ大統領選の前年に米株がどのように動いているか調べた結果である。いかに、米大統領選が株に影響を与えているか一目瞭然だろう。このパターンは、1947年から2003年までの15回、大統領選挙を一年前に控えたアメリカ市場の動きを描いているが、誰もが再選されることを望んで、米経済の活性化をはかっている。この伝統的なパターンは、再選のために戦う政党の動きでもある。景気がよく金回りが良くなれば、一般大衆はそのときの政党を支持する傾向が強い。

ここで1975年のダウン工業平均指数の動きを描いたグラフを載せておく。大統領選挙の前年を表す典型的な株価の動きになっている。

政治の源をなしているのは権力と言っても過言ではない。もちろん、アメリカ大統領になる人物がその権力の強さを十分理解して、また、正しい方向へ国民を導いていくことに変わりがない。この権力を得るためには選挙に勝つしかないのだ。

大統領選の後、通常、米株は伸び悩む傾向にある。もちろん、必ず株価が下がるとは言えないが、徐々に現実を直視する投資家が増えて、一時的にコレクション入りすることが多いようだ。

2005年のいつ、米株を買えばいいのか?

過去の米株変動を調べた結果、2005年はその年の終わりにかけて上昇相場になると予想している。その理由については、次回、詳しく説明するが、ここでは、大統領選挙の翌年、どのように米株が動いているかあらわしたグラフを載せておく。

ブッシュ大統領が再選された今、私の興味は米株が2005年にどのように動くのかある。過去の動きからみて、2005年に米株を買うのは正しいようだが、問題は、いったいいつ、そのアクションを起こすべきかにある。

この疑問に添付したグラフは答えを出している。3月の初めから4月の初めにかけて、米株は下げる傾向がある。大統領選挙の翌年に限って言えば、この時期に買いに出るのが良さそうである。年初に大統領が向こう4年間の経済計画についての演説を聞いた後、徐々に投資家が動き出しているから、このような動きを米株はするのだろう。

もちろん、必ず、グラフのように米株が上昇すると保証はできない。しかし、過去の動きを見る限り、3月から4月にかけて、買いにでるチャンスが訪れるだろう。

ラリー・ウイリアムズ


その他のセミナー