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<立ち読みページ PDF 100KB> | 本書は『実践 生き残りのディーリング』に改訂されました。
これまでの著書に、『生き残りのディーリング』『円高を止める方法、活かす方法』(いずれも東洋経済新報社)、『矢口新の相場力アップドリル 為替編』『矢口新の相場力アップドリル 株式編』(パンローリング)がある。
NEWS
2006年4月、科学普及出版社より『生き残りのディーリング』の中国語訳が出版されました!
あの名著『生き残りのディーリング』が決定版になって復活!
現役ディーラーの座右の書として、多くのディーリングルームに置かれている名著を全面的に見直しし、個人投資家にもわかりやすい工夫をほどこして、新版として登場! 投資・相場にかかわっている人は必携の書。リスクとは避けるものではない。
うまく管理するものである。
それでは、資産の運用はプロに任せていればよいのか? 資産運用のプロとは、投資信託会社、ヘッジファンド、保険会社、銀行、証券会社などのこと。だが、過去何年間かの間に、いくつのこういったプロの会社が破綻したことだろう。これで、ほんとうに私たちの大事な預貯金や年金を預けていても大丈夫なのだろうか?
何をしていてもリスクはある。資産運用のリスクが怖いからと、当事者であるリスクを避けることは、傍観者であるリスクを受け入れることである。同じ自動車に乗っていながら、運転席よりも助手席の方が安全だと思うようなものだ。自分のリスクは自分で取るべきである。リスクとは避けるものではなく、うまく管理するものなのだ。
本書は、自分の資産は自分で運用することを勧めるものである。相場とは何か、価格変動の本質とは何か、リスクとは何か、などを詳しく説明し、それならばどのように対処すればよいかを述べている。これから相場を始めるという人たちはもちろん、プロのファンドマネージャーやディーラーも含めた、相場にかかわっているすべての人に必ず役立つはずである。
では、自分の将来の年金資産の運用などはアマチュアが手を出さないで、資産運用のプロに任せていれば、それで安心できるのでしょうか?
資産運用のプロとは、投資信託会社、投資顧問、ヘッジファンド、保険会社、銀行、そのほかの金融機関、証券会社などです。彼らは他人の資産を運用していますから、確かにプロには違いありません。しかし、本当に私たちの大事な預貯金や年金を預けていても大丈夫な人たちなのでしょうか? 過去何年間かの間に、いったいいくつのこういったプロの会社が破綻したことでしょう。
私たちは自分の人生の当事者です。私たちの預貯金や保険はまさかの時の備えに必要なものですし、積み立てている年金は老後の私たちの生計をたてるのに必要です。ほかのだれのものでもありません。
何をしていてもリスクはあるのです。資産運用のリスクが怖いからと、当事者であるリスクを避けることは、傍観者であるリスクを受け入れることです。同じ自動車に乗っていながら、運転席よりも助手席の方が安全と思うようなものです。
しかも資産運用の世界では、事故歴がたくさんあるドライバーでも、有名ならば他人の車をまだ運転していますし、当のドライバー自身がその車に乗っていないことも多いのです。
自分のリスクは自分で取りましょう。リスクとは避けるものではなく、うまく管理するものなのです。
本書は読者に、自分の車(資産)は自分で運転(運用)することを勧めるものです。そのために、相場とは何か、価格変動の本質とは何か、リスクとは何か、などを詳しく説明し、ならばどのように対処すればよいかを述べています。
目次に目を通してみてください。第1章では金融の商品を問わず、「市場価格はなぜ動くのか」を説明しています。第2章では個人投資家やプロが、自分が扱っている「資金の性質とリスク」を理解することの重要さを述べています。第3章、第4章は「相場の張り方」を、実戦的に述べています。また第5章は「業者の側から見た相場」を述べていますから、個人投資家が相場の裏側を知る、よい機会かもしれません。
このように本書は、何に着目し、どのように相場観を組み立てるかだけにとどまらず、ポジションを取ったあとで(売り買いを始めたあとで)、どのように対処すればよいのかを述べた本です。
したがって、これから相場を始めるという人たちだけではなく、むしろプロのファンドマネージャーやディーラーも含めた、すでに相場にかかわっている方々に、より役立つことでしょう。
ところで読者のなかには、本書のタイトルにある「生き残りのディーリング」の名前を、すでに目にした方もいるでしょう。この拙著は、出版から十年以上経ったいまも、現役ディーラーの方々の座右の書として、多くのディーリングルームに置かれていると聞いています。また、続編を望む声も著者の耳には入ってきています。
本書の前身にあたる『生き残りのディーリング』は、相場のプロの方のみを対象に書きました。一般の方にとって、相場がいまほど身近ではなかったからです。いまは多くの人が相場を語る時代になりました。それどころかもはや相場は、だれにとっても避けては通れないものになってきています。
したがって本書では、一般の方にも読んでいただけるように、なじみのないチャートなどを省き、脚注を多く入れました。脚注によって相場の専門用語も、その場で解決できます。専門用語を一般用語に書き換えることをあえてしなかったのは、いつかは覚えねばならないことだからです。リズムよく一回読み終えてから、脚注を含め、じっくり読み直すということもよいでしょう。
また、一般向きにしたとはいえ、内容は前著よりもはるかに充実させました。相場はゴルフなどと違い、アマチュアだからといって、いささかのハンディももらえないからです。むしろプロのほうが有利な条件で戦えるのが相場です。
私は相場を書物ではなく、実戦のなかで学びました。東京、ニューヨーク、ロンドンといった主要市場にて、債券や為替の運用、および機関投資家相手のセールス(為替、債券、株式)を二十年ほどやってきました。現場たたき上げだといえます。市場に育てられた私が、自分が得てきた経験や知識をより多くの人たちに伝えることは、市場に対する恩返しではないかと思っています。
本書の出版にあたっては、パンローリングの後藤康徳氏、マイルストーンズの細田聖一氏、両氏の多大なるご協力を得ました。ここに感謝の意を表します。
本書が、読者の資産リスク管理の、何らかのお役に立てることと信じています。
著者
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