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マーケットのチャート入門 株式市場のテクニカル分析をマスターする

マーケットのチャート入門
――株式市場のテクニカル分析をマスターする

著 者 ウィリアム・L・ジラー
監 訳 長岡半太郎
訳 者 井田京子

2022年5月発売/A5判 222頁
定価 2,800円+税
ISBN978-4-7759-7299-1 C2033

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著者紹介目次

ミネルヴィニとオニールがページが擦り切れるまで読んだ
テクニカル分析の教科書
普遍の真理に裏付けられたテクニカルの基礎を学ぶ!

 本書は、テクニカル分析のツールを使って売買のより良いタイミングを見つけ、トレードのパフォーマンスを全体的に改善する方法を60年以上にわたってトレーダーや投資家に伝えてきた。1962年に発行された初版は、当時テクニカル分析の理論と使い方を平易な言葉で説明した最初の本として熱狂的に迎えられ、現在でもトレーダーのスキルや経験と関係なく、マーケット関係者必携の1冊になっている。

 今回の復刻版は、当時のトレードに関するさまざまなヒントや洞察やチャートがそのまま再現されたもので、次のようなこととともに、普遍の真理に裏付けられたテクニカル分析の基礎が今でも有用であることが確認できる。

●複雑なチャートや図から常識的な洞察を得るための指針
●テクニカル分析の謎を解明するためのヒント
●チャートにかかわるテーマや用語の分かりやすい定義
●いつの時代にも通用するパターンやフォーメーションの例と説明

 本書はテクニカル分析の王道と言ってよく、非常に明快で分かりやすい。本書を読めば、株式やFXや先物市場でチャートを見る目が一新され、日々のトレードや投資でテクニカル指標を使って、どんな状況や局面での売買でもベストプライスを見つけるための必要かつ有益な武器になるだろう。

 また、ミネルヴィニとオニールが自著で取り上げ、テクニカル分析の教科書的な古典として、現代では評されている。

■本書への賛辞

「『マーケットのテクニカル百科 入門編・実践編』(パンローリング)からエドワーズやマギーの独自の考察を除けば、本書になる。私ならば、もちろん両方読むけれど、こちらのほうを先に読む。きっとすらすらと読めて、多くのことが頭に入ってくるだろう」――ザ・ストリート・ドット・コム

「あなたが『長期投資家』『バイ・アンド・ホルダー』と自認していたとしても、市場分析においてチャートがいかに役立つかについて無知であることは許されない。チャートは短中期のトレーダーだけのものではなく、長期投資家であっても、最低限、本書で図解・説明されているパターンを認識しておけば、必ずさらなる利益を得ることができるだろう」――ポール・チャーニー(スタンダード・アンド・プアーズ社のチーフマーケットアナリスト)


著者紹介

How Charts Can Help You in the Stock Market by William L. Jiler

ウィリアム・L・ジラー(William L. Jiler)
1934年に兄のミルトンが設立したCRB(コモディティ・リサーチ・ビューロー)社の社長を長く務め、CRBの先物チャートサービスやスタンダード&プアーズのトレンドライン社のチャートサービスの提供を始めた。また、CRB先物指数を開発し、この指数は商品市場全体の価格動向を表す主要な指標となった。現在でも世界の商品価格の動きを測定するための不可欠な指標となっている。

原題: How Charts Can Help You in the Stock Market by William L. Jiler


目次

監修者まえがき
謝辞
まえがき

第1章 投資家のためのツール
第2章 トレンド
第3章 支持線と抵抗線
第4章 ヘッド・アンド・ショルダーズ
第5章 ダブルトップとダブルボトム
第6章 ラインとソーサー
第7章 V字トップとV字ボトム
第8章 メジャードムーブ
第9章 コイル(トライアングル)
第10章 継続パターン
第11章 リバーサルデイ、ギャップ、アイランドリバーサル
第12章 トラップ
第13章 市場平均
第14章 そのほかの指標
第15章 200日移動平均線
第16章 利益
第17章 落とし穴と恩恵

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監修者まえがき

 本書は、コモディティ・リサーチ・ビューロー社の社長を長く務めたウィリアム・L・ジラーが著した“How Charts Can Help You in the Stock Market”の邦訳である。本書のように長年にわたって多くの人に読み継がれてきた古典を世に出せることを大変うれしく思う。

 原書の初版が出版されてから約半世紀の時間がたったが、これが今でも多くの実践家に支持されているという事実は、市場そのものの構造やメカニズム(というよりも市場参加者の振る舞いや投資活動の本質)は昔と変わっていないということなのだろう。

 本書はいわゆるテクニカル分析について解説している。テクニカル分析についてはさまざまな評価があって、古典的なテクニカル分析についてはすでに歴史的な役割を終えたとみる見方も成り立つだろう。だが、確かにチャートそのものには株価の未来に対する予測力はないが、少なくとも株価の軌跡は事実の1つである。私がこれを強調するのは、株式投資において、事実ではなく妄想やデマに基づいて判断や行動を起こす人があまりにも多いからである(ほとんどの人がそうかもしれない)。

 したがって、客観的な事実と正しい知識に基づいて投資をするならば、単にそれだけで多くの市場参加者に対して優位に立っていることになる。そして、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析とマクロ分析といったツールは、それを支える有力な柱なのである。

 テクニカル分析について言えば、株価の軌跡は「データ」であり、それを解釈するモノの見方は「情報」である。さらにそれをファンダメンタルズ分析やマクロ分析と統合すれば「インテリジェンス」となり、それに基づいて投資し、経験を積めば、「知恵」が得られるだろう。

 本書はテクニカル分析の本であるが、あくまでチャートを解釈するにあたっての「モノの見方」が説かれているのであって、現在の多くの類書がやっているように、「ここで買え」だの、「ここで売れ」だのと言った戯言は書かれていない。著者のこの姿勢は、昨今の相場書と比較してなんと誠実で良心的なことだろう。実際、テクニカル分析を学ぶならば、本書の内容だけで十分なのではないか。テクニカルアナリストを商売としている方は別にして、テクニカル分析を投資活動における実践に役立てたいのであれば、目新しいだけで実際は複雑でノイズだらけの怪しいシロモノにかかわるのではなく、学ぶ対象を歴史の試練に耐えた単純な技法のみに特化するのが賢明な行動であると思う。投資初心者が最初に読むべき本として本書を強く推奨する。

 翻訳にあたっては以下の方々に心から感謝の意を表したい。まず井田京子氏には正確で読みやすい翻訳を、そして阿部達郎氏は丁寧な編集・校正を行っていただいた。また本書が発行される機会を得たのはパンローリング社社長の後藤康徳氏のおかげである。

 2022年5月

長岡半太郎


まえがき

 もし資金を市場に投じていれば、それは資金をリスクにさらしていることになる。この名著は、金融市場のイクスポージャーに内在するリスクを減らしたいすべての人の役に立つ。

 ファンダメンタルズ分析は、株式市場で成功するための方程式の半分にすぎない。世界で最も誠実なバランスシートの四半期ごとや年度ごとの収益や利益が安定して推移していても、あなたがその株に支払った以上の金額で買ってくれる人がいなければ、何の意味もない。ちなみに、エンロンの粉飾決算が発覚するはるか前に、エンロンのチャートは破綻し始めていた。

 あなたは、自分が買っている会社のチャートのどこに注目すべきか分かっているだろうか。価格パターンや出来高に関する知識がないと、市場参加者はリターンを得るために必要以上のリスクに自らをさらすことになる。

 「バイ・アンド・ホールド」は、強気相場では素晴らしくうまくいくが、個別株や株式市場全体の強気相場は永遠には続かない。「長期投資家」「バイ・アンド・ホールドの投資家」などと名乗っても、チャートが市場で助けになることを無視する理由にはならない。また、チャートはトレーダーだけのものではない。長期投資家も本書で紹介するパターンに気づくことができれば、その恩恵を受けることができる。長期の時間枠ならば長期の足のチャートを使えばよい。日足の代わりに週足や月足を使えばよいのだ。インターネット上には株式チャートを無料で提供しているサイトがいくらでもあるが、見るべきポイントが分からなければ、たとえ無料サイトでも意味がない。

 チャートは、市場が考えていることについて独自の洞察を与えてくれる。会社のファンダメンタルズはたいてい素晴らしく見えるが、株価や出来高の動きには機関投資家が着々と撤退していっていることを示すどんなヒントが隠れているのだろうか。本書は、雪上の足跡を探して、「永遠にバイ・アンド・ホールド」するという間違いを減らすための実績がある観察方法を紹介していく。

 株価と出来高の動きをテクニカル的に評価することは、市場で資金をリスクにさらすならば、必須のツールとなる。本書の初版は1962年に刊行されたが、それ以来、時の試練に耐えてきた。

 ジラーは余計なことにページを割くことなく、最も重要な株価パターンを示し、ポイントとなる部分を説明するために明快な例を用いている。さらには、チャートの特徴を示し、株価パターンと出来高の観察を組み合わせて簡潔かつ率直に市場心理を説明している。

 私の投資本の本棚には、本書が長年置かれている。この本があなたの本棚においても欠かすことのできない1冊になることを願っている。

 2003年10月

ポール・チャーニー(S&Pのチーフマーケットアナリスト)


第1章 投資家のためのツール

 ある株は50ドルでしか売れないのに、別の株は100ドルで売れるのはなぜなのだろうか。

 また、あるときは50ドルだった株が、別のあるときには100ドルになるのはなぜなのだろうか。

 それには、その会社の収益、配当、純資産、将来の業績見通し、経済全体の見通し、株式市場全体の動きなど、無数の要因がある。

 もし勤勉な投資家がこれらの要因をすべて学んでバランスよく考慮できれば、株価を予測することができるようにも思える。しかし、仮に過去10年のIBMの収益の推移をかなり正確に予想できたとしても、IBMの株価が1940年代末に年間利益の12倍まで下がったことや、1950年代末には収益の60倍にまで高騰したことなど、どうして予想できるだろうか。

 1950年代には「投資家の自信」が明らかに急上昇した。また、市場心理(潜在的な買い手と売り手の姿勢を合わせた状態)が株価を決める重大な要因であることも明らかだ。もし市場が「間違って」いれば、株について「正しく」考慮しても何の役にも立たない。良いニュースのあと株価が下がったり、ひどい見通しでも株価が上がったりすることはいくらでもある。つまり、「株の価値は投資家が支払うつもりがある金額にすぎない」。

 そのため、株価の動きを予想するためには、経済的な確たる事実に加えて、投資家たちの考え方について正確な洞察を得ることが望ましい。ここで思い出すのが昔ながらの残念なジョークだ。「もしハムがあれば、ハムエッグを作ってあげられたのに。もし卵があれば……」。実際には、株価に影響を及ぼすかもしれないことをすべて知ることはできないし、それは事情通の「インサイダー」であっても変わらない。もちろん収益や配当や株式分析や合併や油田発見や新製品などについて、事前に知っていればものすごく有利なものはある。しかし、その知識によって利益を得るためには、インサイダーやその兄弟や従妹や叔母が株を買わなければならない。そして、買えばその株の需要が増える。売れば供給が増えるのと同じことだ。いずれにしても、買うためには市場を通さなければならないため、警戒している投資家ならばそのシグナルに気づくかもしれない。

 しかしその間も前述のとおり、だれも株価を決めるすべての要素を知ることはできないが、直近の分析でこれらの要因が合わさって需要と供給を相互に影響し合い、それが価格を決める。その会社に関するどんなニュースがあったとしても、それが需要か供給のどちらかを傾けたときのみ株価に影響を及ぼす。もしある時点である株の需要(買い注文)が供給(売り注文)よりも多ければ、株価は上がるしかない。もし供給が需要を上回れば、株価は下がるしかない。

 チャートは、このような需要と供給の相互作用の記録を提供してくれる。特定の株や複数の株が、過去にいつ、いくらで売買され、出来高がどれくらいだったのかを一目で見ることができるのである。

 「チャートを読んだり、チャートを分析する」目的は、特定の価格水準における需要の強さと供給の圧力を推定し、そのことから株が今後向かう方向と、その動きがどこで止まるかを予想することにある。

 このとき、チャートに記録された過去の株価の動きがヒントを与えてくれる。市場では、歴史は繰り返す、それもかなり頻繁に。チャート上の株価の変動は、驚くほど安定的にいくつかのパターンに当てはまり、それぞれが買い圧力と売り圧力の関係を示唆している。パターンやフォーメーションのなかには、需要が供給よりも大きいことを示しているものもあれば、供給が需要よりも大きいことや、しばらく均衡を保っていることを示唆しているものもある。

 話を進める前にはっきりと強調しておきたいのは、株価を予想する完全無欠のシステムなど存在しないということだ。もしそんなものがあれば、それを発見した人がいずれ市場のすべての株を手に入れることになる。ちなみに、チャートは完全無欠ではなく、見る人を惑わせたり誤解させたりすることがよくある。このことについては、本書を通じて指摘していく。また、最終章ではチャートを読むときのさまざまな落とし穴も紹介していく。

 幸い、株式市場ではすべての判断が正しくなくても利益を上げることができる。正しいときが間違ったときよりも多ければよいのだ。この原則はギャンブラーにはよく知られている。彼らは「ハウスはけっして負けない」と言っている。実は、ハウスは頻繁に負けている(少なくとも顧客が再び訪れてくれる程度には)が、数学的エッジ(優位性)によって、長期的に見れば必ず勝つようになっている。それでは株式市場でこのようなエッジを見つけることはできるのだろうか。対象の会社や業界や経済に関する妥当で詳細な情報はもちろん価値がある。しかし、いつ買って、いつ売るかの判断を助けてくれるのは、株価チャートの動きやパターンに関する知識なのである。

 ここで、チャートの構成を見ていこう(チャートの経験が豊富な人はこのまま第2章に進んでもよいが、続きを読んでもらえればうれしい)。本書で使っているチャート(株価予想で最もよく使われているタイプでもある)は、バーティカルラインチャートと呼ばれている。新聞で平均株価を示すときに目にしたことがあると思う。ちなみに、チャートにはほかにもたくさんのタイプがある(ラインチャート、バーチャート、ステップチャート、それ以外の記号を使ったものや、対数や平方根や算術目盛りを使ったチャートもある。アナリストのなかには、オシレーターや移動平均線や比率やポイント・アンド・フィギュアを使ったチャートを使っている人もいる。それぞれ機能が違い、メリットがあるが、どれも更新し続けるのには時間がかかるし、解釈の仕方も非常に複雑なことが多い)。

 一方、バーティカルラインチャートは最低限の時間で簡単に維持でき、だれでも理解できる。それに、一目で最も大事な情報である対象期間の高値、安値、終値、出来高が分かる。このチャートには長い実績があり、20世紀初めごろから広く使われている。バーティカルラインチャートは、人気銘柄や市場平均の動きを長期で示すものが、さまざまなチャート会社から数多く出されているため、投資家は簡単に入手することができる。人気銘柄の最新のチャートが簡単に手に入るだけでなく、投資家は関心がある銘柄のチャートを簡単に作成し、更新していくこともできる。

 チャートは、日足、週足、月足、そして年足でも株価の変動を示すことができる。これらのチャートでは、同じパターンが見つかり、同じような予想効果があるが、日足チャートのほうが反転のシグナルが早目に出るため、本書ではほとんどの例に日足チャートを使っている。一方、週足チャートや月足チャートは長期トレンドを調べるには便利なので、該当する章の最後にいくつか例を挙げておく。

 いずれにしても、株価の情報は普通のグラフ用紙(縦線と横線が均等に引いてあるもの)に書き込んでいく。縦軸には価格、横軸には時間枠(日、週、月、年など)を書き込む。新聞やティッカーで株価を調べ、その日の高値と安値をマークし、その2点を縦線で結ぶ(その日のレンジ)。そこに、終値を示す短い横線を加える。例えば、ある銘柄の10月15日の株価のレンジは45ドルから47ドルで、終値が46ドルならば、図1のようになる。

 もちろん、週足や月足や年足チャートも同じように描いていく。それぞれの線(足)は、その期間のプライスアクションを表している。

 チャートの下の部分には、重要な情報を描き込むための場所をとっておく。それが、その期間に売買された株数(出来高)である。これはゼロから出来高に合わせた高さまでの縦線で表す(新聞では、特に記載がなければ、出来高は100株単位または「取引単位」で表示されている)。

 チャートの便利さと必要性を、GM(ゼネラルモーターズ)の例を用いて見てみよう(1961年9月15日〜10月15日)。まずは株価の図2を見てほしい。

 次に図3を見てみよう。

 最初の縦線は、9月15日にGMの株価が高値の48ドルから安値の47ドル4分の1で推移し、終値が48ドル(短い横線)だったことを示している。また、チャートの下の部分にある線は、この日GMが3万7100株出来たことを示している。

 同じ手順で10月15日まで株価を記録していくと、このチャートになる(週末は省いて継続性を持たせている)。

 長期的なトレンドを知りたいときは、データを要約して図4のような週足チャートにすることもできる。


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