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バフェットからの手紙【第8版】
世界一の投資家が見たこれから伸びる会社、滅びる会社

新装版 カプランのオプション売買戦略 著 者 ローレンス・A・カニンガム
監修者 長岡半太郎
訳 者 増沢浩一、藤原康史、井田京子

2023年5月発売/四六判 上製本 640頁
定価 本体 2,800円+税
ISBN978-4-7759-7314-1 C2033

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著者紹介目次まえがき

バークシャーとアメリカ経済の歴史がわかる
バフェット自身の声でバフェットがわかる唯一の本

日米で超ロングセラー

 日米で超ロングセラーの『バフェットからの手紙』第8版がついに登場! バフェットとローレンス・カニンガム教授との歴史的な出会いによって生まれた、ウォーレン・バフェットとチャーリー・マンガーとバークシャー・ハサウェイ社の哲学の集大成! 「バフェットが最も多くのサインをした本」との称号を与えられた本書は、まさにその内容も人気も寿命も永遠である。大局的で、分かりやすくバフェットやバークシャー・ハサウェイの考えや哲学をまとめた本書を読むたびに新しい発見がある!

 これからバフェットを知ろうと思う読者も、バフェットをよく知る読者も、バフェットの実績に圧倒されるばかりの読者も、分野別にカニンガム教授が要約・整理したバフェットの含蓄ある「株主への手紙」を文章を読めば、本書以外では絶対に知ることのできないバフェットやマンガーの深遠な知見に接することができるだろう。

編集部より

2021年1月に発売した本書の前著は「第5版」でしたが、著者のカニンガム博士から、「第1版の前に2つの版を刊行しており、今回のは実質、第8版である」との要請を受けたので、今回のを「第8版」としました。


著者紹介


The Essays of Warren Buffett: Lessons for Corporate America
ローレンス・A・カニンガム(Lawrence A. Cunningham)
ジョージワシントン大学ロースクールのヘンリー・セント・ジョージ・タッカー三世リサーチ教授。著書として、ハンク・グリーンバーグ氏との共著『ジ・AIGストーリー(The AIG Story)』『コントラクト・イン・ザ・リアルワールド(Contracts in the Real World : Stories of Popular Contracts and Why They Matter)』がある。コロンビア、コーネル、ハーバード、ミシガン、UCLA、バンダービルトなど、多くの主要大学の学報に研究論文を掲載。ボルチモア・サン、フィナンシャル・タイムズ、ニューヨーク・デイリー・ニュース、ニューヨーク・タイムズなどに論説を寄稿。アマゾンではビジネス・投資の部門で上位100人の著者として挙げられている。2018年には、コーポレートガバナンスに関する研究が評価され、全米取締役協会(NACD)から「ケネス・D・ウエスト・ライフタイム・アチーブメント賞(Kenneth D. West Lifetime Achievement Award)」を受賞した。

本書への賛辞

「バリュー投資の古典であり、バフェットを知るための究極の1冊」――フィナンシャル・タイムズ

「あらゆる時代を通用する投資に関する最高の1冊だ」――モトリーフール

「カニンガムは私たちの哲学を体系化するという素晴らしい仕事を成し遂げてくれた」――ウォーレン・バフェット

「とても実用的な書だ」――チャーリー・マンガー

「このバフェットに関する本書は素晴らしい」――フォーブス

「凄い――知恵とユーモアとコモンセンスに満ちている」――マネー

「真剣な投資の講義にエンターテインメントの要素を加えたものだ」――インベスターズ・クロニクル

「企業経営の書でもあり個人金融の書でもある」――パブリッシャーズ・ウィークリー

編集部より

本書を読み返すたびに、新たな発見があり、そのたびにウォーレン・バフェットやチャーリー・マンガーの偉大さを再認識させられます。これはよくある宣伝文句でも、お客さまを引き付けるマーケッティングで使い古された惹句でもありません。最近、声高に叫ばれている「ガバナンス」とか「顧客本位」を彼ら2人は半世紀も前から認識し、実践していたのがよく分かります。2023年4月にバフェットは来日し、日本料理は大嫌いなのに、日本株には大いに興味を示されたことが報道されました。バフェット本は実にたくさん刊行されていますが、バフェットやマンガーの真の姿と真の発言を知りたい方には本書をお薦めします(これも宣伝文句ではありません、ファクトです!)。


(本テキストは再校時のものです)

目次

監修者まえがき
第8版によせて ローレンス・A・カニンガム
序文 ローレンス・A・カニンガム
プロローグ――株主に関する企業原則

第1章 ガバナンス(企業統治)
A.企業の目的――パートナーシップの価値を築く
B.質の高い株主――五つのバケツ
C.完全で公正な開示
D.取締役会と経営者
E.社員と事業の変化
F.社会と社会契約
G.株主主体で行う企業の慈善事業
H.経営者の報酬の正しい決め方
I.リスク、風評、気候変動
J.企業文化

第2章 投資
A.農場と不動産と株
B.ミスターマーケット
C.裁定取引
D.定説の間違いを暴く
E.バリュー投資――重言
F.賢明な投資
G.「しけモク」と「組織由来の旧習」
H.人生と借金と安眠

第3章 普通株
A.質の高い株主を引き付ける
B.株式分割と見えざる
C.バークシャー株の二つのクラス――クローンを阻む
D.自社株買いと合理性
E.配当政策と資本配分
F.留保利益
G.インデックスファンドでコストを削減する

第4章 選択肢
A.投資分野の調査
B.ジャンクボンドと短剣の命題
C.ゼロクーポン債券と目出し帽
D.優先株
E.金融派生商品
F.外国為替と株式
G.持ち家政策――実践と方針
H.ビジネスパートナーシップ

第5章 買収
A.ひどい動機と高値
B.「思慮深い自社株買い」対「グリーンメール」
C.LBO
D.健全な買収政策
E.自分の企業を売るにあたって
F.最適な買い手

第6章 評価
A.イソップと非効率な藪の理論
B.内在価値、帳簿価格、市場価格
C.ルックスルー利益
D.経済的なのれんと会計上ののれん
E.株主利益とキャッシュフローの詭弁
F.オプション評価

第7章 会計
A.風刺
B.基準の設定
C.監査委員会
D.調整後利益
E.年金の評価と退職者給付金
F.実現イベント
G.投資

第8章 税務
A.法人税負担の分配について
B.税制と投資哲学
C.アメリカ政府――サイレントパートナー

第9章 アメリカの歴史
A.アメリカの奇跡
B.生産性の伸び
C.フォローの風

第10章 最後に
A.バフェットとバークシャーの企業文化
B.マンガーが語る「バークシャーシステム」
C.これから先の道
D.メトセラの境地

用語集
構成表



訳者まえがき

 本書は、ジョージワシントン大学のローレンス・カニンガム教授の著した“The Essays of Warren Buffett, 8th Edition”の邦訳である。教授は、バークシャー・ハサウェイの年次報告書に記載された株主宛ての手紙から、重要と思われるものを抜粋・整理し、バフェットの理念や哲学を広く社会に伝える活動を続けてきた。本書は投資の教科書として捉えられることも多く、それはバークシャーがコングロマリットの投資会社だからである。だが、初期の副題である“Lessons for Corporate America”からも分かるように、本来、これは理想的な経営行動やコーポレートガバナンスの形態を解説した極めて真摯な啓蒙書なのである。

 さて、おそらく日本の読者は、バークシャーの経営陣がこれほどまでに株主に対して忠実であろうとすることを不思議に思うことだろう。しかし、バフェットが示したように、利他的であることは時として自らの利得を最大化する。また、原書に“trust”という語が数え切れないほど出てくるように、「信託」の概念がある英米法体系の社会では、株式会社であるかパートナシップであるかを問わず、株主や投資家からの信任を得て事業や投資を行う者は、全力でもってその責務を果たすべきであることは自明である。一方で、明治の初めから大陸法体系を採るわが国ではその概念の理解は乏しく、かろうじて信託法第二十九条に「信託の本旨」という文言で表現することによって、狭義の受託者に義務を課すことを試みているにすぎない。

 だから、日本の企業においては、バフェットが警告を与えてきたアメリカ企業と比較しても、株主の権利が軽んじられている。本書にあるように、バフェットはアメリカの企業社会全体の健全性や成長力に対して揺るぎない信頼を置いているが、日本の上場企業の場合は果たしてどうだろうか。もし彼我の差が大きく、その原因の一つが企業経営者の行動や組織のガバナンスの違いにあると認めるならば、日本の株主は単に株式の売買を行うだけではなく、株主総会における議決権行使を含むあらゆる機会を利用して、それらの改善を求めていくべきなのだろう。

 本書の内容は、ESGといった言葉に代表されるような教条的で上滑りしたものではなく、バフェットが実際にやって見せた事例と教訓を基盤とした極めて普遍的・実践的なものである。私たちは経営者も株主もそれに学ぶことで、日本の企業社会がこれまで自律的には成し得なかった課題解決を行い、一般社会にとっても意味のある改革を成し遂げられる可能性がある。

 翻訳にあたっては、井田京子氏はじめ歴代の本書の翻訳者の方々と編集者の阿部達郎氏に感謝の意を申し上げたい。また、本書が改定を重ねて和訳されてくることができたのは、パンローリング社の後藤康徳社長のおかげである。

 2023年4月

長岡半太郎

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