著 者 キャシー・リーエン、エティエンヌ・クリート
監修者 長岡半太郎
訳 者 山口雅裕
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プロップトレーダーの世界に飛び込んで成功の秘訣を発見しよう!
2年前、プロップファームは世界に十数社しかなかったが、今では200社以上がひしめいており、毎日何千人もの腕自慢のトレーダーたちが新たにプロップファームに加わっている。本書は、そのプロップファームに参加し、大成功を収めた14人のプロップトレーダーに詳しくインタビューを行い、その生の声を通じて、試行錯誤の末に学んだ教訓や、このユニークなトレード会社の仕組みやこの組織向きのトレード方法・戦略を明らかにしている。たとえ素人であって、トレード技術に自信があるが資金不足が悩みのトレーダーなら、本書を読めば、この世界に飛び込む価値があるかどうかを判断することができるだろう。
本書は、個人がプロップトレーダーとして自立できる可能性があるなど、プロップトレードの魅力を紹介するだけでなく、プロップファームで設定されていることが多い厳格なルールなど、プロップトレードの高リスク面も深く掘り下げている。これらは、初心者から上級者のホームトレーダーにも参考になることが多い。
経験豊富なキャシー・リーエンと専業トレーダーであるエティエンヌ・クリートによる的確で、リアルトレーダーだからこそ出てくる数々の質問によって、トレードの本質からトレーダーの微妙に揺れ動く心理面までもがあぶり出された本書は、あらゆるトレーダーの必携書になることは間違いないであろう!
キャシー・リーエン(Kathy Lien)
BKTraders.com のFX戦略担当統括責任者兼 DailyFX.com とFXCMの通貨調査担当統括責任者。JPモルガン・チェースでキャリアをスタートさせ、インターバンク市場のFXトレードデスクで通貨市場のマーケットメークをし、クロスマーケットの自己売買部門異動後にはFXスポット、オプション、金利デリバティブ、債券、株式、先物のトレードに従事。2003年にはFXCMに入社し、オンラインFX情報のポータルサイトの DailyFX.com を立ち上げ、2007年には BKForex LLC を共同設立し、市場間分析を用いたトレード戦略の開発や経済データのサプライズを予測したりした。2008年にはグローバル・フューチャーズ・アンド・フォレックスの通貨調査部門の責任者に就任した。著書には『ザFX』『FXの小鬼たち』『FXトレーディング』(いずれもパンローリング)などがある。
エティエンヌ・クリート(Etienne Crete)
カナダのモントリオール出身のスイングトレーダー兼「Desire To Trade」の創設者。2017年からフルタイムでトレードをしながら世界中を旅しており、トレーダー志望者が利益を生むトレード手法を開発し、経済的な自立を達成できるよう支援することを目的とした「Desire To Trade」を創設した。2013年にトレードをしながら旅を始め、トレードで成功するにはトレーダーたちに囲まれていることが必要だと気づいた。彼のプラットフォームでは、教育用ビデオ、ポッドキャスト、複数のプログラムなど、さまざまなリソースを提供しており、これらすべてはトレーダーが利益を上げ、資金を増やせるようにすることを目的としている。
原題:PROP TRADING SECRETS : How Successful Traders are Living off the Markets
by Kathy Lien and Etienne Crete
第1章 プロップトレードの変遷――大手銀行から個人トレーダーへ
第2章 プロップトレーダーの秘密――最も優れたトレーダーたちの共通点
第3章 ロブ・ホフマン
シグナルが同時点灯して勝率が劇的に高まるまで辛坊強く待つ厳しい親に育てられた元保安官
第4章 ダビデ・ビオッキ
新しい相場環境に適応するために絶えずトレードスタイルを調整し続ける元ホテル経営者
第5章 ジョン・バナン
銘柄を絞り、感情をコントロールすることで成功を手に入れたスイングトレーダー
第6章 デビッド・フロイド
『マーケットの魔術師』を読み、規律と意欲と学び続ける努力で天職への道を切り開いた根っからの相場好き
第7章 サニー・ハリス
サニーバンドの開発者で、自動化できない部分は直観と裁量で対処する元プログラマー
第8章 アリ・クルックス
価格と移動平均線を見ながらリスク管理を徹底し、レジリエンスの重要性を唱えるトレードコーチ
第9章 アトゥ・コキーラ
徹底的に市場分析する努力を惜しまず、イベントトレードに集中する元世界的ゲーマー
第10章 アンドレス・グレンジャー
自らのトレード姿をビデオ録画して見直し、恵まれた人脈を生かして成功した普通の元旅人
第11章 ジャン・フランソワ・ブーシェ
負け方と忍耐力の重要性を理解し、スキャルピングで儲けるまで8年を要した白血病サバイバー
第12章 オースティン・シルバー
シンプルな手法と成功を左右するリスク管理を重視し、トレードを事業と捉える精神は起業家
第13章 アリス・アモレス
リスク管理の重要性を理解し、たった六年間で八〇〇万ドルを運用するようになったシングルマザー
第14章 マシュー・ミラー
一つの銘柄と一つのセットアップを極めて、直観的にトレードできるまでになったプロップトレード界のスター
第15章 ニック・サイエク
ファンダメンタルズとテクニカル水準を融合し、小さいポジションサイズを徹底するスイングのトレンドフォロワー
第16章 ビンス・コーエン
口座を数百回吹き飛ばしたあと、熱意と粘り強さで一〇〇万ドルの利益を達成した低学歴パイロット
第17章 プロップファームでトレードを始めるための究極のチェックリスト一〇項目
本書は、BKTraders.com の戦略担当統括責任者であるキャシー・リーエンと、Trade To Desire の創始者であるエティエンヌ・クリートの手による『Prop Trading Secrets : How Successful Traders are Living off the Markets』の邦訳である。これは「マーケットの魔術師(プロップトレーダー編)」と言ってよい。
かつて「プロップトレード(プロプライエタリートレード)」といえば、大手金融機関が自社の資本を用い、選抜されたトレーダーがその運用に携わる、いわば内部者のための世界であった。一般の投資家にとっては、その存在を知ることはあっても、実際にかかわることは想定されていなかったと言ってよい。しかし、近年のテクノロジーの進展と取引プラットフォームの高度化は、この前提を静かに、しかし確実に変えつつある。
現在では、プロップファームと呼ばれる企業の登場によって、個人トレーダーであっても一定の審査を通じて能力を示すことができれば、他者の資本を使ってトレードし、その成果に応じた報酬を得る道が開かれている。これは、自己資金の制約によって機会を得られなかった人々に、新たな選択肢が提示されたことを意味する。
本書に登場する一四人のトレーダーは、そうした環境の下で結果を残してきた人々である。その経歴は多様であり、特別な出自や恵まれた環境に依拠した存在ではない点に共通性がある。また、彼らのトレード手法も一様ではない。超短期売買に集中する者もいれば、ファンダメンタルズを重視し時間を味方につける者もいる。重要なのは、いずれの手法も当人にとっては正解であり、自らの性格や生活条件に適合したスタイルを、規律をもって貫いている点にある。
相場において成功を収める道筋は一つではないが、逆に、いくら他人にとっては優れた方法であっても、それが自分に合ったやり方でないなら失敗は必定である。トレードにおいても個々の個性や事情に適合した手法でなければ価値はないという視点は、これまであまりに軽視されてきたと思う。読者には、本書を通じて、自分が何者であり、よって自分にとってどのような判断軸やルールが適しているのかを考えてほしい。
本書の刊行にあたり、緻密かつ丁寧な翻訳を担ってくださった山口雅裕氏、丹念な編集と校正を施してくださった阿部達郎氏に、心より謝意を表する。また、本書を世に送り出してくれたパンローリング株式会社代表取締役・後藤康徳氏に、謹んで御礼申し上げる。
2025年12月
長岡半太郎
経済的に自由になりたい、収入を増やしたい、失業したので新たなチャンスをつかみたいなど、さまざまな理由からトレードに目を向ける人が増えている。臨時収入や副収入を得たいという欲求はだれにでもある。二〇二〇年のコロナウイルスの大流行以降、私たちの働き方は変化した。在宅勤務が増えたことで、トレードのような副業ができる柔軟性が生まれ、多くの人が九時から五時までの退屈な仕事を辞めたいと考えるようになった。
退職金口座や株式や不動産への投資は、長らく経済的な自由を得る確実な方法とみなされてきたが、だれもが将来の投資に回せる余裕資金や収入があるわけではない。そこで、資金を貯め、安定した収入源を確保し、最終的には長期の資産運用に充てるチャンスを得るためのトレードが登場する。新しい形のプロップトレードの出現によって、このチャンスはより魅力的で利用しやすいものになった。
かつてウォール街のプロだけが用いていた伝統的なプロップトレード(金融機関における自己資金の運用)とは異なり、現在のプロップトレードは一般トレーダー向けに設計されている。これらを提供する企業は、トレーダーが実際のキャッシュであれ仮想の運用額であれ。多額の資金を利用して、時には利益の九〇%も手に入れることができるようにしている。
この機会をつかむには、トレーダーは一日の最大損失限度を超えない範囲で利益目標を達成して、チャレンジ(審査)に合格する必要がある。どのプロップファームにも独自のルールがあるが、一般的には、損失を資金の五%以下に抑えつつ、八〜一〇%の利益を出すことが求められる。プロップファームによっては、ニュースで取り上げられるイベント中でのトレードを制限したり、自動売買システムの使用を求めたりするなど、追加の条件を設けているところもある。また、採点方式でトレーダーの能力を評価するところもある。多くのプロップファームがさまざまな方法を提供している。一部のブローカーは無償で資金を提供してくれるため、わずか数百ドルしかなくても一〇万ドル以上の資金でトレードができる場合もある。
プロップファームでのトレードが人気になり、初心者による初歩的ミスが増えている。経験豊富なトレーダーでもルールを守り切れずに、資格を失うこともあり、よく「評価を台無しにする」と言われる。
本書は、経験の浅いトレーダーでもベテラントレーダーでも、こうした初歩的ミスを避け、資金提供を受けて成功するための近道を歩む手助けをするものである。私たちは数年の経験しかないトレーダーから、数十年の経験を持つ伝説的なトレーダーまで、一四人の成功したトレーダーにインタビューをした。彼らのなかには、トレード大会の優勝者や多額の資金を運用するプロップトレーダー、独立してトレードで生計を立てているベテラントレーダーなどがいる。本書では、こうしたトレーダーたちの性格からトレード戦略に至るまで、彼らに共通する特徴を探り、マーケットで成功を収めたいと願うすべての人に貴重な洞察を提供する。
国内外のトレード大会で三〇回以上も優勝したデイトレーダーのロブ・ホフマンは辛抱強さの大切さと、適切なときに適切な理由で適切なトレードを行うことの重要性を強調する。実際に自己資金を使うトレード大会で一〇回も優勝したダビデ・ビオッキはトレード機会を正確に特定するために、見渡せる範囲に焦点を当て、出来高に基づくツールを使うのが役に立つと語る。ロビンスカップ先物部門で三位に入賞したジョン・バナンは、サイクルに基づく独自のトレード手法について語る。
三〇年以上のトレード経験を持つベテランのデビッド・フロイドは、マーケットの声を聞くことの大切さについて語る。四〇年以上の経験を持つ全米一のCTA(商品投資顧問業者)であるサニー・ハリスは、トレードの好機を逃すのではないかという不安に屈せず、集中し続けることが重要だと強調する。アリ・クルックスは起業で失敗したあと、規制市場のファンドマネジャーに転身した感動的な道のりについて語る。アトゥ・コキーラはオンラインゲーム「ワールド・オブ・ウオークラフト」で世界トップクラスのチームを率いた経験から、チームワークのスキルがトレードの成功にどう役立つかを説明する。
一〇〇〇万ドルの暗号資産ファンドを運用するアンドレス・グレンジャーは、良かったトレードと悪かったトレードの両方から学ぶことの重要性を強調する。ジャン・フランソワ・ブーシェはオプションのトレードですべてを失い、白血病と戦い、最終的にプロップトレードで利益を出せるようになった感動的なストーリーを語る。何度も資金提供を受けたプロップトレーダーであるオースティン・シルバーは、トレードをビジネスとして扱うことの重要性を語る。
トレード資金を数百ドルから八〇〇万ドルにまで増やしたシングルマザーのアリス・アモレスは、専業トレーダーになるタイミングを判断するための実践的な方法について語る。一つの金融商品と一つのセットアップを極めることに集中するマシュー・ミラーは、この集中が八五日間のトレードで三〇万ドルの利益を上げるのに役立ったと語る。二三歳までに三〇〇万ドルをFXと株価指数で稼いだニック・サイエクは、相場に対する独自の取り組み方を紹介する。最後に、一貫した売買ルールを確立する前に何百もの口座資金を吹き飛ばした経験を持つビンス・コーエンは、プロップファームから一〇〇万ドル以上の報酬を受け取ることを可能にした売買ルールについて概説する。
これらのトレーダーのストーリーは洞察に富んでいて、読者の励みになるはずだ。彼らはそれぞれ課題に直面し、それを克服するために独自の方法を見いだした。彼らの経験はトレードで成功したいと思っているすべての人にとって、貴重な教訓になるに違いない。彼らの洞察はトレードを始めたばかりの人にも、手法を洗練させたいベテラントレーダーにも励みになり、判断の指針になり、最終的にはトレードで成功する助けになると確信している。