システムトレードをするには売買をするためのルールを作らなければなりません。ルールを作るためには色々な「種」を探して、その中から有効に働くものを選定しなければなりません。
「種」を探すには、トレードについて書かれている本を読んだり、トレードの講習会に出かけたり、
さまざまな方法がありますが、「種」を探すことと、本に書いてあることや人の話を鵜呑みにすることとは違います。
みつけた「種」の中で有効に働くものはほとんどないかもしれませんが、まずは「種」を集めなければなりません。
「種」の中にはシステムとして使いやすいものと使いにくいものがあります。
例えば「ダブルボトムで買い、ダブルトップで仕切る。」という芸術的な売買ルールを「種」として使うためには、ダブルトップとダブルボトムがどのようなパターンであるかを明確に定義することから始めなければなりません。
トレードの技術的な部分をベースとした「種」の中にも、検証がしやすいものとしにくいものがあります。例えば「毎年の最初の取引日の始値を買って、その年の最終取引日の始値で売る」というのは売買ルールとしては明確ですが、データ数が少なく統計的に意味のある検証ができません。
「種」を集めるには時間とコストがかかりますが、トレードで得るまたは失うお金に比べれば微々たるものです。
アンテナを高く張ってまずは色々な「種」を集めることです。
今回の講習では、「種」をみつけ、どのようにしてシステム化していくのかを中心にお話いたします。
【プログラム】
■システム基本的な考え方
歪んだコインの表に賭け続ければ、長期的には勝てる(大数の法則)
225先物の取引
特定の条件をみつければ、「上がる」52%、「下がる」48%
特定の条件の時、「上がる」に賭け続ければ、長期的には勝てる
■システムの検証
過去に100回では信憑性がない。1000回コインを投げてみて、520回『表』、480回『裏』であればコインは歪んでいる可能性がある。統計的に意味がありコインが歪んでいる可能性に賭ける。1001回目からもデータを取り続けて、コインの歪みが解消されていないかを確認する。
225先物の取引
市場の効率的でない部分はいつか消え去ることを認識しつつ、効率的でない部分に賭ける。
データを取り続けて、市場の非効率的な部分が解消されていないかを確認する。
225先物の歪み
現在から10分後の価格に影響を与える因子を、10分前から現在までの価格変化の中にみつける。
調査する因子:10分前の価格から現在の価格の変化率が非常に大きい場合、小さい場合。
■システムのコスト
コインを1回投げるのには、参加料を支払う必要があり、参加料を支払っても利益が出るかを確認する。同様に、225先物を取引するのに必要な手数料、スリッページを考慮しても利益がでるかを確認する。
■ストップロス
225先物の現在から10分後までの価格変化をチェックしていても、チェックしていなくても10分後に価格が『上がる』確率は変わらない。10分後に手仕舞いをするという時間の区切りがストップロスの働きをする。
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