『土木学会誌』(第110巻第4号)の「わたしの本棚」
子供たちの思考力を育成する指導法として、デボノ博士の水平思考が紹介されました。
つくば市教育局総合教育研究所(編)『「主体的・対話的で深い学び」につながる授業実践集――「6つの帽子」で面白いほど対話がすすむ』
何千年もの間、思考を重ねてきた人類の長い歴史において、この「6つの帽子」思考法の発明はもっとも重要な転機になると思われる。
本書が出版された1985年ごろに、そんなことを言おうものなら笑われたかもしれないが、今やこの予測が現実のものとなりつつある。
IBM研究所の研究者は、「6つの帽子メソッド」によって、会議の時間が4分の1に短縮されたと報告している。また、ある大企業では、それまで30日もかかっていた多国籍プロジェクト会議が、「6つの帽子メソッド」による並行思考を採用したことで、わずか2日で済むようになったという。
今日このメソッドは多くの人々に利用されている。おそらくシンプルだが手堅く、そして効果的なものだからだろう。
とかく私たちは、多くのことを一度に考えようとする。たとえば、「感情」「情報」「論理」「期待」「創造性」などで頭がいっぱいになってしまう。ところが、本書が言っていることは、実に簡単な概念である。ものを考えるときには、一度に1つのことだけを考えるようにするのである。そうすれば、「論理」と「感情」を分けて考えることもできるし、さまざまな「情報」と「創造性」とを区別して考えることもできる。これこそが「6つの帽子」の考え方である。「6つの帽子」をかぶることで、各帽子で考えるべきことが1つに決まる。
本書では、6つの考え方の特徴と、それがどう役に立つのかを紹介している。 「6つの帽子」は、まさにオーケストラの指揮者のように、考えるべき道筋をうまく導いてくれる。そして、各人の望んでいることをうまく引き出してくれるのである。どんな会議においても、身近な問題を異なる方法で考えさせるには、相互作用を用いて通常の路線から人を引き離すことが効果的なのだ。
著者である、デボノ博士は、オックスフォード、ロンドン、ケンブリッジ、ハーバードの各大学から教授資格を授けられている。彼は「水平思考」の概念を生み出し、それを発展させ、創造的思考法のテクニックを考案した。
このメソッドを用いることによって、これまで不毛だった議論の過程に、「建設的な考え方」や「創造的な考え方」を導くことができるようになったのである。
大人から子供まで、ゲーム感覚で簡単に使える「6つの帽子」が日本にも定着すれば、煩わしい会議がおもしろく創造的なものになるだろう。
イタリア・マルタ島生まれ。世界的な大企業、多国籍企業でコンサルタント業務を展開。また、天文学者ルボシュ・コホーテクが発見した小惑星(2541) Edebonoは、デボノ博士の名が付けられた。
原著『Six Thinking Hats』
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第1章 入門編 議論VS.並行思考(パラレル思考) 変化する世界 並行思考とはどんなものなのか? 考え方の視点と六つの帽子 考え方の視点は説明ではない 人を類別するものではない 帽子についての覚え書き 上手に自己主張する グームを楽しむ 四つの成果 六つの帽子、六つの色
第2章 六つの帽子の使い方
第3章 「白い帽子」で考える
第4章 「赤い帽子」で考える
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第5章 「黒い帽子」で考える 警戒と注意 内容とプロセス 過去と未来 使いすぎの問題 黒い帽子のまとめ
第6章 「黄色い帽子」で考える
第7章 「緑の帽子」で考える
第8章 「青い帽子」で考える
第9章 六つの帽子の利点 付録「六つの帽子」」早見表 訳者あとがき |
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