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羽根英樹
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通信講座『イベント投資倶楽部』主宰。 兼業投資家。投資歴30年以上。現在は株の売買をメインに、年2〜3割のペースで資産を増やし現在の運用資産は数億円となる。 1993年からコモディティ市場でサヤ取りを始める。コモディティの出来高が減ってからは、サヤ取りの技術を応用し、リスク管理を徹底したトレードを実践している。現在はイベントトレードをメインに売買し着実に利益を積み重ね過去十年以上年間プラスを維持し続けている。 サヤ取りの秘密を暴露しすぎと一部の投資家から怒られた話題の本『サヤ取り入門』のリニューアル版『サヤ取り入門 [増補版] 』は、発売以来ベストヒットを続けている。そのほか、著書に『マンガ サヤ取り入門の入門』、『マンガ 商品先物取引入門の入門』、『イベントドリブントレード入門』(全てパンローリング)などがある。
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書評:市場の神話にだまされるな 01月28日

本書はPSR株分析でおなじみのケン・フィッシャーの著作。ここでは私が特に面白いと感じた2つの章、「小型バリュー株の優位性」および「ニュースメディアとの付き合い方」という2つのトピックを中心に述べる。
まずは小型バリュー株の優位性。
多くの投資家は、「小型バリュー株は本質的に優れており、長期的には他の株式よりも高いパフォーマンスを上げる」という神話を信じている。しかし著者は、この考えを「流行を追いかけている以外の何物でもない」と断じる。
著者が提示する現実はシンプルだ。「どのカテゴリーをどれほど深く愛そうとも、それが最も優れているなどということはあり得ない」。歴史を振り返れば、大型グロース株、ハイテク株、金融株、新興国市場など、市場を主導するカテゴリーは常に循環しており、永遠の勝者は存在しない。
この循環を生み出すメカニズムとして、著者は「需要と供給」の重要性を強調する。
1. あるカテゴリーの人気が高まり株価が上昇すると、投資銀行家や企業はその需要に応えるために新株発行やIPOを行い、供給(株式)を増やす。
2.供給が増えすぎると、やがて需要を上回り、株価は下落に転じる。
3. 逆に人気がなくなれば、自社株買いや倒産によって供給が減り、需給バランスが改善される。
このように、資本主義の基本である価格決定メカニズムを無視して、「特定のスタイルが常に勝つ」と信じることは、資本主義そのものを否定することに等しいと著者は警鐘を鳴らす。
ニュースメディアとの付き合い方。
「ニュースで話題になっていることはすでに株価に織り込まれているから、見る価値がない」あるいは「メディアは偏向しているから無視すべきだ」と考える投資家は多い。しかし、著者は「投資家にとってニュースは友人である」と述べ、正しく解釈すれば優位性をもたらすと主張する。
著者が説くメディア・リテラシーの要諦は以下の通りである。
1. センチメント(市場心理)の指標として使う ニュースは事実を伝えるだけでなく、市場参加者が今何に注目し、どのように感じているか(センチメント)を映し出す鏡である。極端な高揚感や悲観は、相場の天井や底を示唆する重要なサインとなり得る。
2. メディアの「事業構造」を理解する メディアは営利企業であり、広告収入を得るために「注目」を集める必要がある。人間は進化論的に「危険」に対して過敏であるため、メディアは本能的に注目されやすい「悪いニュース」を優先的に報じる傾向がある。したがって、「悪いニュースばかりだ」と感じても、それは世界が悪いのではなく、メディアが利益を最大化しようとしている結果に過ぎない。
3. 現実と期待のギャップを見抜く 株式市場を動かすのは「現実と期待のギャップ」である。メディアが報じる期待(コンセンサス)を理解し、それに対して現実がどう動くかを確率論的に考えることが重要である。
結論:バイアスを排除し、事実に基づいた投資を
本書が提示するのは、特定の銘柄選びのテクニックではなく、市場を曇りのない目で見つめるための「思考の枠組み」である。著者は、「永遠の愛に堕ちてはならない。愛とはバイアスのもう1つの形であり、現実を見えなくしてしまう」と語る
取り上げた2つの章以外にも多くの神話の裏の真実が述べられている。多くの投資家に当たり前に思われていたことが実は間違いであることが突きつけられる書。
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