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塩坂洋一


ロビンスカップの日本版オンライン商品先物競技会にMystery Tigerのハンドルネームにて、第1回大会では297%の運用成績で4位、第2回大会では30%で8位、第3回大会では499,84%(半年で元本は六倍、同期間の日経平均はマイナス19.3%)の収益率で優勝するなど、素晴らしい運用成績を収めた真の実力者。株式先物・商品先物トレードの傍ら、業界紙への寄稿やラジオでもマーケットコメンテーターとして活躍。豊富な実践ノウハウを有しており、現在ではポピュラーとなったシーズナル分析、限月別アノマリー分析の先駆者として有名。日本テクニカルアナリスト協会検定会員。

『投機術・覚書』

同じ番組を違うチャンネルでみる。

07月30日
先週末、所用で何年ぶりかで大阪に行ってきた。ホテルの部屋でテレビをつけると、
そういえば大阪は東京とチャンネルが違うことを思いだした。
4CHの日テレがこちらでは読売テレビ10CHで、以下6CHのTBSが毎日4CH、
8CHのフジはそのまま関西テレビでも8CH、10CHのTV朝日がABCで6CH、
12CHテレビ東京がテレビ大阪が該当して7CHなどと、とりとめなく確認する。
東京と大阪で同じ番組を違うチャンネルでみるように、相場の罫線もときどき
チャンネルを変えて見ると良い。それはどうするのか。
ひとつには罫線の上下を逆さまにして見ることである。
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原油急落の読み筋(2)

07月17日
本欄7月4日の「原油オプションを見ろ」、7月9日の「原油急落の読み筋」は
14日のNY原油市場で146.2ドルの最高値更新前にオプション取組からの
下落シナリオに重きをおいて書いたものであるが、15日の急落は予測通りの
展開になった。このとき、135コール取組に然したる変化は起こらず、145ドル
コールの出来高・取組が増加したことから、「原油急落の読み筋」に述べた
深押しの確率が高まったのである。午前2時現在、4ドルほど続落しているが
クローズ価格と135コールの出来高・取組増減に注意しておこう。
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■難平(ナンピン)売買と分割売買(2)■

07月10日
つまり、分割買いは形の上では俗に言う難平買いと同じ売買コスト平均化効果を齎すもの
だが、一般的に難平買いは想定計画外の値動きに対して事後的に既存玉を助ける為に行う
ものである。これに対して分割買いは、相場が逆行の値動きをした時に於いても、想定
計画内の意味で分割買いと称する。また、相場が順行して値洗いが有利になったときに
行う「乗せ」技法の増し玉も分割買いであり、分割売買とは応用範囲が広いものである。
言い換えると分割売買という技法を用いる中で、下手で悪いやり方が難平売買と言っても
良いのである。しかし、古い相場師の中には難平売買を悪・やってはいけないとする論に
反論する向きもある。下がったから仕方なく難平買いを行うことについては、ナンピン
すかんぴんという言葉もあるくらいで駄目だ・・・という。この点は前段で定義している
相場師とも共通している。それでは何故反論するのか?と言えば、古い時代の相場師は
そもそも難平(ナンピン)という売買技法自体が見込み違いで買い下がることを指すのでは
なく「最初から計画を立てて買い下がる」技法だと主張しているからである。簡単に言うと
上げ相場・上昇トレンドの相場の押目やカウンタートレンドを逆張りで買っていくような
計画的買い下がりをイメージしているのである。相場用語辞典の解釈に難癖をつけている
ような感もあるが、ナンピンは買い下がりや売り上がりという逆張りに用いられることは
間違いないので、分割売買の中の一つの形態に過ぎない。分割売買は逆張りばかりでは
なく、順張りによる買い上がり・売り下がりでも計画的に用いられるし、順張り・逆張り
を問わず日柄・時間による分散分割売買にも、違和感なく用いることが出来る。従って、
私は難平売買は引かされて止む無く再度の売買をするネガティブな投資法であり、分割
売買は前もって資金配分・時間配分の計画に基づいてリスクを定義しつつ資金効率運用を
計るポジティブな投資手法であるという考え方に軍パイをあげるものである。
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原油急落の読み筋

07月09日
前回、NY原油オプション取組から見た相場シナリオを本欄に掲載したのは、3日NY原油
最高値を受けた4日の東京時間である。4日の米国独立記念日を挟んで週明け7日東京市場
時間で始まった原油時間外取引で前週末比1ドル以上の下落となり、7日のNY市場は前週比
3.92ドル安の141.37ドルに下落、8日(東京9日深夜2時15分)の現在時間で4.79ドル安の136.58
ドルまで下落している。洞爺湖サミットで原油高問題が取り上げられるタイミングを待って
いた訳ではないだろうが、ドル高へのぶれといい原油の押し目イメージは想定に近い動きを
している。「前者のパターンを醸成しているようにもみえる」と書いたシナリオである。
Mystery Tigerコモデティーレポートの方では、4日の段階で135ドルオプションの取組について
記載してあったのだが、3日高値145.29をつけていく過程で時間的価値が減少、ディープ・イン・
ザ・マネーに移行していく135ドルコールを大量に売れるのは実は先物買い方であることから
予想出来たものである。しかし、いくらオプションでデルタ調整といっても各プライスでみた
場合、先物ほどの取組がある訳ではない。レバレッジ資金効率を高める方策として、この際に
アウト・オブ・ザマネーである135ドルプットのプレミアムは安く、コールの取組が増えてその
プレミアムを使ってプット買いも仕込んでいる。本日、アット・ザ・マネー近辺に原市場の値が
下がっていることから、プットプレミアムは爆発的に増大している。
明日、この135ドルオプション取組を調べて、これが急激に解消していたら、下げ止まりの
サインとなる。もし、取組に然したる変化がないようならば、もう少し深押しとなる確率が
高まるであろう。
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原油オプションを見ろ

07月04日
連日の株式続落とは対照的にNY原油が高値更新をしているが、チャートは上放れである
のに出来高を伴っての爆発的な急伸という値動きにはなっていない。ひとつには燃え草と
して踏ませるべき売り方のポジションが溜まっていないことが考えられる。
こうしたときに市場をリードしている買い方投機筋の立場に立てば、売る材料を与えて
売り方のポジションを膨らませ、引き入れることである。過去何度もそういう行動パターンは
あった。そのサインのひとつとして、イン・ザ・マネーやアット・ザ・マネーのストライクプライスで
コールオプションの取組・出来高が膨らんでくることがある。買い方は先物で買いをせっせと仕込む一方で、
コールの売り方としてデルタを調整しておく。そして近々買いの手を緩めつつ、
株高やドル高の日を利用したり、テクニカル・ファンダメンタルで売り材料が活きるときに
篩い落としをかけ、NY原油先物を急落させて売りを誘い込む。その安くなった所を全部
買い拾っていくことで、大量の買いポジションを保有することが出来る。その間にちゃっかり
コール売りのプレミアムを利食って、高値で買った先物のポジションの買いコストを下げる
という戦略を用いる。一方、アウト・オブ・ザ・マネーのコール取組が増えてきたときは、
買い方がコール買いを大量に仕込み、先物の買上げで一気にプレミアムの増大を図るディールを
目論んでいるケースもある。さて、現在のところ、前者のパターンを醸成しているようにも見えるが
数日中にそのような局面が出るか原油オプションの取組推移に注目である。
前者のパターンを志向しながら、アウトのコール取組が増えていくようなら押しは日中の乱高下
一瞬で終わり上昇するパターンもある。
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■難平(ナンピン)売買と分割売買(1)■

07月03日
難平(ナンピン)買いと分割買い、難平(ナンピン)売りと分割売りについては、相場師により
考え方や定義に違いがある。話を分かりやすくする為に買いで説明しよう。
一般的な投資家が商品でも株でも上がると思って買った銘柄の価格が下がったので「難平
買い」を入れるのだが、多くの場合は何%下がったから難平買いを入れて難を平均化して
買い値を有利にしようというものだ。例えば200円の株式を1単位買って10%下がり180
円になったからもう1単位買い、買い値平均を190円にして株価が下げ幅の10円戻して
くれればチャラになる。さらに当初の10%下がり株価が160円になったときに1単位買えば
3単位の買い値平均は180円となる。難平買いのやり方はいろいろあって、200円の株式を
1単位、180円になった株式を1単位買って2単位持っているところから、株価が160円に
なったときに既存建株数2単位の倍、4単位を買えば買い値平均は6単位で170円となる。
こういうやり方は倍増し難平買いという。いずれも株価が平均値まで戻ってくれれば損を
しないで済むが、無限に資金があるのであればともかく、株価がいつ下げ止まるか分から
ないのに10%づつ下がる度に買い下がっていったのでは、資金が底をついてしまうパターン
が大衆投資家の常である。上がると思って買ったのが下がる、つまり資金が引かされている
状況で、やむを得ず難平買いを何度も入れていること自体が売買の仕方としては間違って
いることになる後ろ向き・消極的な売買が難平であり、そんなことをするくらいなら一端
損切をして改めて仕掛け直すことが善であると殆どの相場師は主張するはずである。勿論、
私もそうである。下がったら損切し、上昇基調になってから買えばいいのを、下がっている
途中でそろそろ底だ押目だと勝手に判断して負ける投資家が多すぎるのである。事例に
挙げたケースは形としては3分割で買っている分割売買になっているが、多くの相場師の
定義では上記のケースは分割売買とは言わず、やってはいけない難平売買であるという
考え方に立っている。両者の手法は似ているが以って非なる異手法であり、同一ではない
という主張である。一方の分割売買は難平売買とは異なり、事前にリスクを計測し、資金
配分や時間分散など綿密な計画をもって分割買いを行う前向き・積極的な手法である。
(続く)
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